生産者:桧山雅一さん(桧山農場)
桧山農場は桧山さんの父親・喜三さんが入植し、原野を開拓したところから始まりました。「父が開拓で入ったころは、土もできていないし、気候も今とは違う。7月でも寒いような時代でした。米の品質も良くないし、なかなか収量も上がらない。収量を上げるには化学肥料と農薬に頼らざるを得ない時代だったと思います」と桧山さん。そんな桧山さんが、JAS有機栽培米や自然栽培米を作るようになったきっかけは、いくつか理由があります。
作物には、作り手の想いが影響を与えている
桧山さんが25歳のころ。ひょんなことから知り合った人に、「無農薬の野菜を作りたいから土をおこす機械を貸してほしい」と声をかけられます。無農薬で野菜なんて無理だろうと思いつつ、気になった桧山さんは畑に顔を出すようになります。そのうち、無農薬できちんと野菜を育てているのを見て、自分の畑でも挑戦してみますが、なかなかうまくいきません。「途中で気づいたんですけど、その方は人にあげるために無農薬で野菜を作っていたんです。その方の野菜を食べると元気になるという人もいて、実際、味も美味しかった。そのときに、作る人の想いや意識がエネルギーや波動として作物に影響しているのではないかと考えるようになりました」。
「自然から学ぶこと」で見えてきたもの
「自然栽培は人間がコントロールできないもの。せいぜい稲を育てる環境を整えるために、水を冷たくしたり、温めたり、除草をする程度。とにかく、田んぼを見続けるしかない、声を聞くしかない。自然というのはスゴイということを実感させられます」と桧山さん。20代のときに感じた作物に影響を与えた作り手の波動やエネルギーのこと、自然栽培に取り組みはじめて知った「すべてのものは自然や宇宙が教えてくれる」という経験から、「自然栽培というのは、作り手の『生き様』が分かりやすく出るもの。僕自身、だんだん目線が宇宙や地球レベルになってきて、生き方や在り方を考えるようになりました」
みんなの生き方が変われば、世界も変わっていく
「最終的には楽しく農業をしながら、自分の時間も取れる。そういうスタイルの生き方ができればいいなと思います。これは、どんな職業でも同じだと思いますが。みんなが自分の時間を取って、好きなことをやれる。そういう生き方をできるようになれば、世界も変わっていくだろうなと思います」と桧山さん。最近は、農薬を使わずとも波動をうまく利用して除草できる機械ができないだろうかと考えたりしているそう。「それができるようになれば、自然栽培やオーガニックの野菜作りをしたいという後継者も増えるようになるだろうし、農業の世界も変わるだろうなと。そうなれば、働き方や生き方も変わると考えています」。自分だけが良ければいいとは思わない器の大きさや、俯瞰で世の中を見ることができる視点の高さなど、桧山さんと話していると勉強になることがたくさんあります。
(「MOKUマガジン MOKUな人 Vol.4」より引用)
桧山雅一さん生産の自然栽培ゆめぴりかです。
【ゆめぴりか】
お米の甘みと香りが強く、もっちりとした粘り気もあってそのままでも食べ応えのあるお米です。
炊き上がりはツヤツヤで美しさがあります。
粘り:かなりもっちり
粒の食感:やわらかい